IB(国際バカロレア)とは?日本で注目される理由や全国の認定校(小中高)を解説

国際バカロレア(IB)とは、スイスのジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が、世界各国から人が集まる国際的な機関や外交官の子供が母国での大学進学のため、様々な国の大学入試制度に対応し、1つの国の制度や内容に偏らない世界共通の大学入学資格及び成績証明書を与えるプログラムのことです。

高校2年生から学ぶディプロマ資格プログラムは「世界共通のパスポート」とも呼ばれ、大きな注目を集めています。

国際バカロレアは単なる大学に入学するための資格ではなく、国際バカロレアを取得するためには専用のプログラムを学び、世界共通の最終試験を受けて合格する必要があります。

このプログラムを修了することで、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できるスキルと未来へ責任ある行動をとるための態度を身に付けることができます。

現在では世界159カ国以上、約5500校に通う学生たちが国際バカロレアのカリキュラムを受けています。

最近では、国内の学校でも卒業後に海外大に進学するためにIBを提供する学校が増えています。

また、入試に国際バカロレアを活用する国内の大学も年々増えています。

国際バカロレアは、海外大に進学を希望する生徒だけではなく、そうでない生徒にとっても将来の可能性を広げる大きなチャンスです。

そこで今回は、世界基準の教育プログラムの国際バカロレアについて解説します。

日本で注目される理由から国内の認定校(小中高)、国際バカロレアのメリットとデメリットもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

国際バカロレアとは?

国際バカロレアは、多くの国で通用する大学入学資格です。

所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、海外の多くの大学に入学志願できるようになります。

国際バカロレアはもともと外交官や国際的機関で働く人の子どもたちが母国の大学に進学しやすいよう開発されたプログラムで、特定の国の制度・内容に偏らない世界共通の大学入学資格と成績証明書を与えるためのものでした。

しかし、現在では世界159カ国以上、約5500校にて国際バカロレアが提供されています。

国内でも国際バカロレアの注目が集まる中、日本国内の国際バカロレア認定校も増えています。

国際バカロレアでは、3歳から19歳までの総合的な教育プログラムを開発・提供しています。

初等中等教育課程で成長段階や進路に合わせた4つのプログラム (PYP・MYP・DP・CP)があります。

日本でいう高校に相当するDPプログラムを修了し、世界統一の卒業試験を受け、一定の成績を収めることで国際バカロレア機構から大学進学のための国際バカロレアの修了資格(成績証明書)が授与されます。

DPプログラムは英語・フランス語・スペイン語のいずれかで実施されます。

なお、PYPとMYPでは言語の制限はなく、国際バカロレア機構から母国語での提供を推奨されています。

CPとは高校卒業後に大学進学を希望しない生徒を対象としています。

就職や専門学校へ行くことを目指したキャリア関連プログラムです。

PYP(初等教育プログラム)
対象:3歳〜12歳
・幼稚園~小学校で学ぶ内容に相当
・精神と身体の両方を発達させることを重視したプログラム
・どのような言語でも履修可能
MYP(中等教育プログラム)
対象:11歳〜16歳
・小学校〜中学校で学ぶ内容に相当
・これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラム
・どのような言語でも履修可能
DP(ディプロマ資格プログラム)
対象:16歳から19歳
・高校で学ぶ内容に相当
・所定のカリキュラムを2年間履修
・最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能
・原則として、英語、フランス語又はスペイン語で実施
CP(キャリア関連プログラム)
対象:16歳から19歳
・生涯のキャリア形成に役立つスキルの習得を重視したキャリア教育・職業教育に関連したプログラム
・一部科目は、英語、フランス語又はスペイン語で実施

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PYP(初等教育プログラム)

3歳〜12歳を対象としたPYP(Primary Years Programme)は、探究する人としての基礎教育、そのために必要な知力、体力、精神力のバランスが取れた人間になることを目指す初等教育プログラムです。

国際バカロレアの入り口となる教程であり、日本の小学校と同様に、基礎学力を身に付けると同時に、私達は誰なのか、どのような時代と場所にいるのかなどのテーマを軸にしながら言語・社会・算数などの6教科を履修します。

PYPは、国際バカロレア機構が定めた公式教授言語はなく、母国語で学ぶことができます。

MYP(中等教育プログラム)

11歳~16歳を対象としたMYP(Middle Years Programme)は、教科を学びながら、実社会とのつながりを理解し、分析し、省察して考える人間になることを目指す中等教育プログラムです。

大学入学準備コースであるDPの基礎学習として位置づけであり、DPコースへ進むためのスキル獲得期間として重要視されています。

言語(A・Bの2種類)・人文科学・テクノロジーなどの8教科を4~5年間かけて履修します。

PYPと同じく、MYPもどの言語でも習得可能で、母国語でも学ぶことができます。

DP(ディプロマ資格プログラム)

16~19歳を対象としたDP(Diploma Programme)は、大学受験やその先の人生を見据え、強みや個性を明確にして、自らが進む道を見極められる人間になることを目指すディプロマ資格プログラムです。

6つのグループ(教科)から定められた科目を選んで履修し、それらと並行して課題論文(略称:EE、履修科目に関連する個人研究)・知の理論(略称:TOK、知識の構築に関する分析・探究)・創造性/活動/奉仕(略称:CAS、創造的思考を伴う芸術・身体的活動やボランティア活動などの体験学習)を履修する必要があります。

なお、DPは英語・フランス語・スペイン語のいずれかで実施されます。

高校3年生のとき(または高校3年次に相当する年次)に、世界共通の最終試験を受験し、選択科目による内部評価と最終試験による外部評価によってスコアが算出され、合計45点満点中、原則として24点以上で、国際バカロレアの修了資格(成績証明書)が授与されます。

点数配分は6つの選択科目は各7点満点、EE・TOKで3点となっています。

CASは点数化されていませんが、活動によってCASの要件を満たす必要があります。

各教科で2点未満は不合格とみなされ、1教科でも不合格をとると国際バカロレアの修了資格は授与されません。

世界全体での国際バカロレアの修了資格の取得率は8割程度とされ、最終試験に不合格となった場合でも、19歳になるまで再試験を受験することが可能です。

国際バカロレアのメリット

国際バカロレアは、海外大に進学するためだけではなく、日本国内でも1979年から国際バカロレアの修了資格を取得した18歳の生徒を高校卒業した生徒と同等以上の学力を有していると認めれています。

そのため国際バカロレアを取得すれば、国内の大学への受験資格が得られることも大きなメリットです。

近年、国際バカロレアのスコアを用いた特別入試(国際バカロレア入試)を導入する大学も増えており、国公立大学では北海道大学、東北大学、筑波大学、岡山大学の多くの学部で国際バカロレア入試を導入しています。

また、慶應義塾大学法学部や国際基督教大学(ICU)などの私立大学でも国際バカロレア入試が実施されています。

国際バカロレアを取得してアメリカやイギリス、カナダの大学に進学した場合、DPで選択していた科目をHL(ハイヤーレベル)で修了し、さらにその成績が6以上の場合、大学初年度でその学科を受講しなくても単位を無条件で与えられる大学が多いです。

例えば、カナダの名門大学・ブリティッシュコロンビア大学では数学の「数学HL」で成績が6以上だった場合、大学1年目では数学の授業に出る必要はなく、またその授業料を支払う必要もないのです。

国際バカロレアのデメリット

国際バカロレアは、国内外の大学へ幅広く進学できるチャンスを得ることができるため、大きなメリットがある一方で、科目数や科目間での難易度の差においての問題点を指摘する声もあります。

例えば、理科で選択する科目に中には、生物、化学、物理、コンピュータ科学、デザインテクノロジー、スポーツ・エクササイズ・健康科学、環境システムと社会がありますが、物理のHLの合格率は、他の科目に比べて低い傾向があります。

数学に関しても、HLとSL(スタンダードレベル)では、修了成績に大きく差があり、数学HLで落第点を取った生徒がSLで最高得点になることも少なくなく、選択した科目やレベルの差によって生徒の成績は大きく変動してしまうデメリットがあります。

国際バカロレア認定校

日本国内の国際バカロレア認定校を一覧でご紹介します。

進路選びの参考の一助となりましたら幸いです。

都道府県
学校名
教育プログラム
PYP MYP DP
北海道 市立札幌開成中等教育学校
北海道 札幌日本大学高等学校
宮城県 宮城県仙台二華中学校・高等学校
宮城県 仙台育英学園高等学校
宮城県 東北インターナショナルスクール
宮城県 秀光中学校
宮城県 ホライゾンジャパンインターナショナルスクール仙台泉校
宮城県 ホライゾン学園仙台小学校
茨城県 つくばインターナショナルスクール
茨城県 茗溪学園中学校高等学校
茨城県 開智望小学校
群馬県 ぐんま国際アカデミー
埼玉県 さいたま市立大宮国際中等教育学校
埼玉県 昌平中学校・高等学校
埼玉県 筑波大学附属坂戸高等学校
埼玉県 カルガモ イングリッシュスクール
東京都 アオバジャパン・インターナショナルスクール
東京都 アオバジャパン・バイリンガルプリスクール晴海キャンパス
東京都 アオバジャパン・バイリンガルプリスクール芝浦キャンパス
埼玉県 アオバジャパン・バイリンガルプリスクール中野キャンパス
東京都 アオバジャパン・バイリンガルプリスクール早稲田キャンパス
東京都 アオバジャパン・バイリンガルプリスクール三鷹キャンパス
東京都 インディア・インターナショナルスクール・イン・ジャパン
東京都 開智日本橋学園中学・高等学校
東京都 カナディアン・インターナショナルスクール
東京都 ケイ・インターナショナルスクール東京
東京都 サマーヒルインターナショナルスクール
東京都 シナガワインターナショナルスクール
東京都 清泉インターナショナルスクール
東京都 セント・メリーズ・インターナショナルスクール
東京都 サイシシャインターナショナルスクール
東京都 グローバルインディアンインターナショナルスクール東京
東京都 玉川学園中学部・高等部
東京都 東京インターナショナルスクール
東京都 東京ウエストインターナショナルスクール
東京都 東京学芸大学附属大泉小学校
東京都 東京学芸大学附属国際中等教育学校
東京都 東京都立国際高等学校
東京都 みずほスクール
東京都 ウィローブルックインターナショナルスクール
東京都 武蔵野大学附属千代田高等学院
東京都 町田こばと幼稚園
東京都 代々木インターナショナルスクール
神奈川県 神奈川県立横浜国際高等学校
神奈川県 サンモール・インターナショナルスクール
神奈川県 ホライゾン・ジャパン・インターナショナル・スクール
神奈川県 横浜インターナショナルスクール
神奈川県 法政大学国際高等学校
神奈川県 聖ヨゼフ学園小学校
神奈川県 学校法人三幸学園 キッズ大陸よこはま中川園
神奈川県 三浦学苑高等学校
神奈川県 栗原学園やまた幼稚園
山梨県 山梨学院幼稚園
山梨県 山梨学院小学校
山梨県 山梨学院高等学校
山梨県 山梨県立甲府西高等学校
長野県 インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢
長野県 インターナショナルスクールオブ長野
長野県 松本国際高等学校
長野県 天周学園 若草幼稚園
岐阜県 サニーサイドインターナショナルスクール
岐阜県 帝京大学可児高等学校
静岡県 加藤学園暁秀中学校・高等学校
静岡県 エンゼル幼稚園
静岡県 静岡サレジオ幼稚園
静岡県 静岡サレジオ小学校
静岡県 静岡サレジオ中学校
静岡県 静岡サレジオ高等学校
愛知県 江西インターナショナルスクール
愛知県 名古屋インターナショナルスクール
愛知県 名古屋国際中学校・高等学校
愛知県 アップビート・インターナショナルスクール
滋賀県 滋賀県立虎姫高等学校
京都府 京都インターナショナルスクール
京都府 同志社国際学院初等部
京都府 同志社インターナショナルスクール国際部
京都府 立命館宇治中学校・高等学校
大阪府 アブロード・インターナショナルスクール大阪
大阪府 大阪YMCAインターナショナルスクール
大阪府 関西学院大阪インターナショナルスクール
大阪府 コリア国際学園
大阪府 大阪女学院高等学校
大阪府 大阪教育大学附属池田中学校
大阪府 大阪国際高等学校
大阪府 大阪市立水都国際中学校・高等学校
大阪府 近畿大学附属高等学校
奈良県 育英西中学校・高等学校
兵庫県 カネディアン・アカデミィ
兵庫県 関西国際学園
兵庫県 神戸ドイツ学院
兵庫県 マリスト国際学校
兵庫県 AIE国際高等学校
鳥取県 鳥取県立倉吉東高等学校
岡山県 岡山理科大学附属高等学校
岡山県 朝日塾中等教育学校
岡山県 アブロードインターナショナルスクール 岡山
広島県 英数学館小・中・高等学校
広島県 AICJ高等学校
広島県 広島インターナショナルスクール
広島県 広島県立広島叡智学園中学校・高等学校
広島県 つきのひかり国際保育園
高知県 高知県立高知国際中学校・高等学校
高知県 香美市立大宮小学校
福岡県 福岡インターナショナルスクール
福岡県 リンデンホールスクール中高学部
福岡県 福岡第一高等学校
熊本県 熊本インターナショナルスクール
沖縄県 オキナワインターナショナルスクール(沖縄国際学院高等専修学校)
沖縄県 沖縄尚学高等学校

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◎日本語DP実施校

まとめ

本記事では、国際バカロレアについて解説しました。

高校2年生から学ぶディプロマ資格プログラムは「世界共通のパスポート」とも呼ばれ、日本でも大きな注目を集めています。

海外大だけではなく、最近では国内のトップ校も国際バカロレアを用いた受験を認めています。

国際バカロレアは、海外大に進学を希望する生徒だけではなく、そうでない生徒にとっても将来の可能性を広げる大きなチャンスです。

ぜひ、国際バカロレアを導入している学校に進学してみてはいかがでしょうか。